
米OpenAIと米Microsoftは4月27日、提携契約の内容を更新したと発表した。今回の改定により、OpenAIは自社の全製品を任意のクラウドプロバイダーを通じて顧客に提供できるようになった。これまではAPIサービスについてはMicrosoft Azureでの独占提供が続いていたが、その制約が撤廃された形だ。両社は2025年10月末にも契約を改定していたが、今回さらに踏み込んだ内容となっている。
Microsoftが持つOpenAIのモデルや製品に関する知的財産ライセンスは2032年まで継続されるが、非独占的なものに変更された。収益分配については、MicrosoftからOpenAIへの支払いは終了する。一方で、OpenAIからMicrosoftへの収益分配は技術の進展に関わらず上限付きで2030年まで継続される。Microsoftは引き続きOpenAIの主要株主として成長に直接参加する。
ただしMicrosoftはOpenAIの主要なクラウドパートナーであり続ける。新製品は原則としてAzureで優先的に提供されるが、Microsoftが必要な機能をサポートできない場合や対応しないことを選択した場合には他社クラウドが利用される。この仕組みにより、両社は長期的な協力関係を維持しつつ、OpenAIの事業拡大を後押しする。
OpenAIは近年、特定のインフラへの依存を減らすべく、Microsoft以外との提携も積極的に進めている。米Amazonとは複数年の戦略的パートナーシップを結び、AWSの「Amazon Bedrock」上でAIエージェント向け実行基盤を共同構築。AWSを企業向けプラットフォーム「Frontier」の独占的なサードパーティクラウドディストリビューターとも位置づけた。また米NVIDIAからは次世代システム「Vera Rubin」に基づく大規模な計算能力の提供を受け、ソフトバンクグループとは大型資金調達を通じて「AIスーパーアプリ」構想に向けた協業を進めている。
こうしたOpenAIのマルチクラウド化をめぐっては、両社間に一時対立があったとされる。MicrosoftはOpenAIがAWSとの契約を発表した際、「AzureはステートレスなOpenAI APIの独占的なクラウドプロバイダーであり続ける」と公式ブログで主張していた。両社は今回の契約更新について、急速なイノベーションに対応するため、大規模なAIプラットフォームの構築・運用における予測可能性を高めつつ、新たな事業機会を追求するための「柔軟性と確実性」を求めた結果だと説明している。